今回はアンコール補習授業校設立時よりJSL部(Japanese as a Second Language)にて
約半年、その後小学部の担任をしつつ教務主任としても活躍されていました
(今年度は別役員として活動)先生より、教師から見た学校・生徒・保護者の様子などを
語っていただきました。
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平日をインターナショナルスクールの英語の中で過ごし、家庭や近所付合いに於いては
クメール語で過ごす子供達が、日曜日の午前中だけは日本語のみで過ごそうと努力しています。
学校設立特は親子の会話にさえ日本語が使われていなかった
お子さんにとって、日本語しか使えないこのアンコール補習授業校にいる事は大きな精神的負担となっていました。
「先生に聞かれている事が分からない」
「言いたい事が日本語で言えない」
と言う状態で御座いました。
その様な子供達へ救いの手を差し伸べる為に設置されたJSL部を何とか修了し、現在は小学部全員が日本の国語の教科書で
一生懸命に学んでいます。
国語の教科書は外国に暮らす子供達が全く知らない語彙の連続で、漢字も多く、
週に一度の学習ではとても理解しきれません。
けれども、
「日本のおばあちゃんと話せるようになりたい!」
「日本の学校でお友達を作りたい!」
「日本語の本が読みたい!」
子供達は其々に夢や希望を叶える為
国語…日本語学習に熱心です。
周りに日本語・日本文化・習慣が殆ど見られない環境の中、
当校では日本人に囲まれ、「日直!」「前に倣え!」
「授業中の飲食は禁止!」等の声が飛交い、
日本の学校に近い形式で全てが進められております。
当初、校内で英語やクメール語による親子の会話が聞こえておりましたが、
その状態が続いている限り子供達の日本語力向上は望めないとの判断により
「校内では日本語以外は禁止しましょう」と言う声が上がった事から、
保護者の方もお子さんと日本語で会話する様に努力を始めて下さり、
そのお蔭で子供達の日本語力がめきめき上達して来ております。
残念ながら、休み時間になるとインターナショナルスクールで
使い慣れた英語が子供達の間で使われておりますが、
いつか日本語で遊べるようになってくれればと願っております。
子供達が日本人として恥ずかしくない言動が出来る様、
そして子供達の日本語能力向上を助ける為、教科書の音読や漢字練習、
習った歌を歌おう等といった「宿題」は保護者の方に見て頂ける様に工夫されております。
「補習校はあくまでも『家庭学習の補習』の場なので、
家庭での日本語教育を必須とする」
と言う設立時の趣意が保護者の方に行動に落とし込んで
ご理解頂けるまでは時間が掛かりましたが、
現在はお子さんの日本語学習支援が日課になっている保護者の方もおられます。
教師も含め全員体制で頑張っている学校の様子をご覧下さい。
(教師 O)