2011年5月29日日曜日

学校見学

 我が補習校には時々見学者の方が来られます。

主に教育関係者の方が多く、カンボジアに於ける日本語での教育現場を見に来られています。
こうした方々には、プロの教育者の視線から見た、感想やご意見を頂けて、大変助かっています。

また保護者の方で、将来子供を入学させたいなという思いを持った方もおられます。

どんな学校なのかな?

子供たちは楽しく日本語を学んでいるのかな?
うちの子も溶け込めるかな?
そんな疑問や不安を持っている方々です。

見学者の皆様へは、総務担当者より学校要覧を配布して、
学校の方針や状況などを説明しながら、授業風景を見学頂いています。

もちろん、授業中のため大声での雑談や無断撮影は禁止ですので、そっとご覧頂きます。

本日、見学に来られた幼稚部入園を考えているお子さん連れの場合は、
最初は緊張してお母さんから離れなかったものの、
途中から幼稚部児童たちの雰囲気にスムーズに打ち解けて・・・


あれ?どこに行ったかな?と思えば・・・
一番前に座って他の児童と絵本に見入っていました。笑

これからも益々、多くの方にこの学校の取り組みと様子を知ってもらえ、
大人の視点から見た「補習校」と、子供の視点から見た「補習校」を
親子で感じて体感して頂けるといいなと思います。

(保護者A

※見学希望の場合は事前に総務までご連絡ください。
前日・当日のお申し込みはお断りしておりますので予めご了承ください。

2011年5月22日日曜日

教科書
















2011年度4年生の教科書です。
新品の教科書を見ると新しい年度への期待感・緊張感を思い出します。
海外在住の生徒であっても、在カンボジア日本大使館に在留届を出せば、
学齢にあった教科書が配布されます。
ここシェムリアップには大使館がないので、首都プノンペンの職員の方が
仕事で来られた際に持ってきて下さいました。ありがとうございます。
(注)本来、配布サービスなどはございません。

日本語教材がほとんどないカンボジアでは日本の教科書はとっても貴重です。
日本在住の生徒も同じ教科書を使っていると思うとワクワクしますね。

4年上国語 かがやきを開けてみると・・・














ありました。ケルルンクック ケルルンクック。
覚えている方もいるのでは?懐かしいですね。

今週はカンボジアならではの宿題も出されました。
「今週中に、夜8時から9時頃、東南東の空を見てください。
大きなサソリの形の星座が見えるはずです。
南十字星は、同じ時間にもっと南の空低く握りこぶし2個分の高さに見えています。
晴れた夜に忘れず見てきてください」

高い建物がなく、電気が少ないカンボジアではそう!星が綺麗!!
雨季は空気が澄んでさらに見やすいですね。
素敵な宿題のためにテルテル坊主を作りたいと思います

(保護者T

2011年5月8日日曜日

全員体制のアンコール補習授業校

今回はアンコール補習授業校設立時よりJSL部(Japanese as a Second Language)にて
約半年、その後小学部の担任をしつつ教務主任としても活躍されていました
(今年度は別役員として活動)先生より、教師から見た学校・生徒・保護者の様子などを
語っていただきました。

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平日をインターナショナルスクールの英語の中で過ごし、家庭や近所付合いに於いては
クメール語で過ごす子供達が、日曜日の午前中だけは日本語のみで過ごそうと努力しています。

学校設立特は親子の会話にさえ日本語が使われていなかった
お子さんにとって、日本語しか使えないこのアンコール補習授業校にいる事は大きな精神的負担となっていました。

 「先生に聞かれている事が分からない」
 「言いたい事が日本語で言えない」

と言う状態で御座いました。

その様な子供達へ救いの手を差し伸べる為に設置されたJSL部を何とか修了し、現在は小学部全員が日本の国語の教科書で
一生懸命に学んでいます。
国語の教科書は外国に暮らす子供達が全く知らない語彙の連続で、漢字も多く、
週に一度の学習ではとても理解しきれません。

けれども、

 「日本のおばあちゃんと話せるようになりたい!」 
 「日本の学校でお友達を作りたい!」
 「日本語の本が読みたい!」

子供達は其々に夢や希望を叶える為
国語…日本語学習に熱心です。

周りに日本語・日本文化・習慣が殆ど見られない環境の中、
当校では日本人に囲まれ、「日直!」「前に倣え!」
「授業中の飲食は禁止!」等の声が飛交い、
日本の学校に近い形式で全てが進められております。

当初、校内で英語やクメール語による親子の会話が聞こえておりましたが、
その状態が続いている限り子供達の日本語力向上は望めないとの判断により
「校内では日本語以外は禁止しましょう」と言う声が上がった事から、
保護者の方もお子さんと日本語で会話する様に努力を始めて下さり、
そのお蔭で子供達の日本語力がめきめき上達して来ております。 

残念ながら、休み時間になるとインターナショナルスクールで
使い慣れた英語が子供達の間で使われておりますが、
いつか日本語で遊べるようになってくれればと願っております。

子供達が日本人として恥ずかしくない言動が出来る様、
そして子供達の日本語能力向上を助ける為、教科書の音読や漢字練習、
習った歌を歌おう等といった「宿題」は保護者の方に見て頂ける様に工夫されております。

  「補習校はあくまでも『家庭学習の補習』の場なので、
       家庭での日本語教育を必須とする」

と言う設立時の趣意が保護者の方に行動に落とし込んで
ご理解頂けるまでは時間が掛かりましたが、
現在はお子さんの日本語学習支援が日課になっている保護者の方もおられます。

教師も含め全員体制で頑張っている学校の様子をご覧下さい。

(教師 O)

2011年5月1日日曜日

こいのぼり製作


♪甍(いらか)の波と雲の波、
重なる波の中空(なかぞら)を、
橘(たちばな)かおる朝風に、
高く泳ぐや、鯉のぼり♪

朝の会で「こいのぼり」を合唱の後、幼稚部ではこいのぼり製作を実施しました。
予め用意された画用紙に、自作スタンプに絵の具を付けてうろこを作っていきます。
先生から2つ約束事がありました。
①自分から遠い場所にある色のスタンプが欲しい時は
 「先生、~色(を)下さい」と言う事
②うろこ一枚一枚は、同じ色(例:赤、赤、赤)で塗るのではなく、
 すべて違う色(例:赤、青、黄色)で塗ること



確かに最近、「こそあど言葉」のみで会話を成立させようとする児童が
増えていると聞きます。
意思表示をはっきりとした言葉でしなければならないという約束に、
最初は戸惑いを感じたのか、自分でスタンプ取ったりしていましたが、
さすが柔らか頭の児童達!徐々に慣れ皆大きな声で「先生、赤色下さい」と
上手に言えていました。
うろこの色付けもセンス良く完成!
ダイナミック・几帳面など個性が良く出ていました。

先生「こいのぼりはどこで泳ぐのかな?
児童「水!」「川!」
先生「こいのぼりは、お空で泳ぐんだよ。たくさん泳がせてあげてね」
一瞬、ポカンとなったもののすぐに気を取り直し、教室中を走り回って泳がせていました。

昔も今も変わらない子供の成長を願う親の気持ちが託されたこいのぼり。
カンボジアの空で元気一杯泳いでいます。

(保護者T