2024年8月9日金曜日

社会科見学 ー日常と違う世界を考えるー

今年の社会科見学は、今まで身近になかった世界を…いえ、気付いてはいたけれどあまり気に留めてこなかった世界を見学させていただきました。
THE SENSES (https://thesenses.asia/)というブラインドマッサージ店(施術者が視覚障害者)が主催するスタディツアーです。

最初に、お店の中で施術者の方々に質問をしました。
「目が見えなくて、どんな事が困りますか?」「どうやってお店に通っていますか?」素朴すぎる質問に、通訳さんを介して答えてくれます。
皆さん、ご結婚もされ子供の面倒もみながら、綺麗にお化粧をして仕事に通っています。本当に感心させられます。

その後は、その皆さんの母校である視覚・聴覚障害者の学校へ移動し、見学をしました。

最初に、伝統楽器の演奏とそれに合わせた伝統舞踏を披露してくれました。
よくツーリスト用のダンスディナーショーで見られる有名な踊りです。私もあちこちで見たことがあります。
しかし、演奏は見えない子達が、踊りは聞こえない子達が踊っているのです。
元気な演奏と可愛らしい歌声。先生の合図で動く踊り子達も、本当に美しく表情豊かで、思わず感動の涙が出てしまいました。

コンピュータールームでは立派な機種がずらりと並び、障害者がどうやって学ぶか先生が説明してくれました。スクリーンリーダーという音声で、カーソルの位置やモニターの状況を把握して作業するそうです。みな、興味深くモニターをのぞき込みます。


そして、盲目を体験する部屋というのにも入りました。
ほぼ真っ暗な部屋。危ないので皆で肩に掴まり繋がって歩きます。
「痛い、石を踏んだ!」「待って、階段はどこ?」と、ゆっくりゆっくりの歩みに。
暗闇の中で、何か軽いものと、重いものを渡されました。何でしょう?
光の中に出て、それらの形が初めて分かりました。
質問の中で「さっきの部屋を、明かりをつけて見たい」とリクエストがありました。
視覚障害の案内の男性の答えが非常に深いもので、以下のような感じでした。
「真っ暗な部屋は何だかよく分からず、不安な体験だったと思う。なので実際の部屋を見ずに分からないままにして、この不安な感覚をずっと忘れないで欲しい。私達はいつもこのような中にいます」

最後に、点字の教室に入れてもらい、実際に針のようなもので点字を打つ体験もしました。
(教室の生徒さん達、見学者が来て少々ジャマをしてしまいましたね。ごめんなさい)
小さな小さな点字。それを指で読めるようになるとは…。努力により、人間の可能性はどこまでも伸びるのですね。

ハンディにも負けずに人生を進んでゆく大勢の方達に出会えた日でした。

感受性の強い小学生の間に、今日の体験が出来たことは本当に貴重でした。

短時間で濃い内容のツアーで、機会をくださったTHE SENSESの皆様に感謝いたします。
準備・手配してくださった講師の方、ありがとうございました。

保護者K